外国語を速く読む方法:理解を保ちながら読む速度を上げる

外国語を速く読むには、やさしい文章を使い、少しだけ先へ進むことを意識して練習し、時間と一緒に理解度も測ります。この練習は、難しい文章をじっくり学ぶ時間とは分けてください。読みの流暢さは、すでに知っている言葉をより円滑に使うことで育ちます。まだ理解していない語彙や文法を、ストップウォッチが補ってくれるわけではありません。
ある学習者が300語の文章を3分で読み、理解度を確認する10問のうち9問に正解したとします。別の文章では2分で読み終えたものの、正解は5問だけでした。これは架空の結果ですが、測定上の実際の問題を示しています。読む速度は毎分100語から150語に上がった一方、内容の多くが理解できなくなっています。数字が上がっただけでは、進歩したとは言えません。
速度の練習には、もっとやさしい教材を使う
新しい言葉を学ぶには無理のない文章でも、流暢さを鍛えるには難しすぎることがあります。読みの流暢さに関する研究で、Paul Nationは、未知の言葉をある程度含む読書と、すでに知っている言葉をより速く使うための、もっとやさしい読書を区別しています。後者では、知らない語彙がほとんどなく、文の構造にもなじみのある教材を選びます。
普段読むものより、レベルを下げる必要があるかもしれません。面白くても難しい記事はじっくり学ぶために取っておき、時間を測る練習には、もっとやさしい物語や記事を使います。文の意味を確かめるために何度も止まるなら、時間短縮を狙う前に、練習用の文章を変えましょう。
レベル別読み物や、語彙を制限した読解コースには、適した教材が見つかることがあります。Comprehensyは記事を選んだレベルに書き換えられるため、読みたい話題のやさしい版を見つける助けになります。時間を測る前に、書き換えられた文章を確認してください。レベルの表示だけでは、自分にとってなじみのある言葉が使われているかはわかりません。
やさしい文章は、時間を測らずに読む時間も大切です。2023年の研究では、中級の前半程度の英語力を持つ日本の大学生101人を、1学年間追跡しました。多読(extensive reading)を行ったグループは、流暢さを鍛える追加活動の有無にかかわらず、理解度を保ちながら読む速度を上げました。グループ間には習熟度や学習歴の違いがあったため、この結果から、誰にとっても最善の練習を一つに絞ることはできません。それでも、速度に集中する練習と並行して、無理なく読める文章を十分な量読むことを取り入れる根拠にはなります。
時間を測って読み、理解度は別に確認する
まだ読んだことがない短い文章で、理解度を確認する問題と解答が付いているものを選びます。語学学習者向けの読解コースは便利です。語数が示されており、答えを知ったあとに自分で作った問題を使わずに済みます。読み終えるまでは、問題も解答も隠しておきます。
黙読では、次の手順を使ってください。
- タイマーをスタートし、文章を最後まで読みます。 内容を追いながら、無理のない範囲で先へ進むことを意識します。辞書を引いたり、メモを取ったりするのはあとにしてください。知らない表現のせいで理解できなくなったら、時間を測る試みを切り上げ、その表現を学ぶか、もっとやさしい教材を選びます。
- 文章の最後でタイマーを止めます。 問題に答える前に、読むのにかかった時間を記録します。途中で読むのを止めても、タイマーは動かしたままにします。そうしないと、試みごとに測っている活動が変わってしまいます。
- 文章を隠し、問題に答えます。 その後、解答で採点します。コースで別のテスト手順が指定されている場合は、その指示に従い、毎回同じ手順を保ってください。
- 読み取れなかった意味を確認します。 文章をもう一度開き、何を誤解したのか探します。言語の知識が足りなかったのか、理解できるはずの情報を急いで読み飛ばしたのかを判断します。
- 二つの結果を記録します。 読む速度と正解数を一緒に残し、中断や普段と違う難しさがあれば、短いメモを添えます。
計算式は、毎分の語数=文章の語数×60÷読むのにかかった秒数です。300語の文章を150秒で読めば、毎分120語です。問題に答える時間は、この計算に含めません。
問題を使うと、時間だけを測るより多くのことがわかりますが、問題の質も大切です。名前や日付だけを尋ねる問題では、説明を理解できたかは確かめられません。関係、理由、中心的な内容も問う教材を選びましょう。
問題の付いていない一般の記事なら、文章を閉じ、要点と、それを支える説明や出来事の順序を書いてから、原文と照らし合わせます。これは簡単な自己確認として扱ってください。あらかじめ用意された理解度テストの得点と同じものではありません。
二つの結果を合わせて判断する
300語の文章を使った架空の結果に戻りましょう。2分で読み、5問に正解した場合は、同じペースでもう一度試す前に、何が起きたかを調べる必要があります。落ち着いて読み直すと間違えた問題の答えが明らかになるなら、次は急ぐ意識を弱めます。該当する文がまだ理解できないなら、時間を測る活動とは別に、その言葉や文法を学びましょう。
その後、同程度の別の文章を2分半で読み終え、9問に正解したなら、より期待の持てる結果です。理解度を保って、毎分120語で読めたことになります。それでも、一度の観察にすぎません。最も速く読めた一回を新しい実力とみなすのではなく、難易度の近い未読の文章をいくつか使って比べてください。
言語、文章の種類、数え方、読む条件は、できるだけそろえます。毎分の語数は、異なる言語の間でそのまま比べられる数字ではありません。単語の長さも、1語で表す情報の量も異なるからです。教材が文字数を使っているなら、一貫して毎分の文字数を記録してください。毎分のページ数も、英語の平均読書速度も、誰にでも当てはまる目標にはなりません。
判断は、自分の具体的な結果に基づいて行います。条件の近い読書で理解度が安定しているなら、少しずつペースを上げます。理解度が下がったら、急ぐ意識を弱めるか、もっとやさしい教材を選びましょう。どの変更が結果に影響したのかを知りたいときは、文章の難易度と求める速度を同時に上げないでください。
練習には再読を、比較には未読の文章を使う
文章の難しい部分を解決したあとに読み直すと、同じ言葉をより滑らかに読み進める機会が得られます。その再読の時間を測ってもかまいませんが、初読とは分けて記録します。内容を知っていると、課題そのものが変わるためです。
2013年の小規模な研究では、英語学習者26人が13週間、時間を測る反復読解か、繰り返さない読解を行いました。反復読解のグループでは、練習していないテスト用の文章も含めて、読む速度の伸びが大きく、理解度も向上しました。参加者が少なく、テストに使った教材も限られていたため、伸びがどこまでほかの文章にも及ぶかには不確かさが残ります。この結果は再読を試す根拠になりますが、2回目に速く読めたことが、全般的な上達の証拠になるわけではありません。
条件の近い文章をいくつか、あとで確認するために未読のまま取っておきましょう。繰り返した文章だけが速く読めるなら、練習は続けつつ、新しい教材が難しすぎないか、言語の学習がもっと必要ではないかを確認します。ナローリーディングの方法で関連する文章を選ぶこともできます。ただし、話題になじみがあるだけで、文章が読みやすくなる場合もあると考えてください。関係のない専門的な記事は、昨日読んだやさしい物語と比べる対象には向きません。
必要なときに立ち止まれる余地を残す
頭の中の声を消したり、前に戻って読むことをすべて禁じたりする必要はありません。読書に関する研究をまとめた2016年のレビューでは、内言を抑えようとすると、特に難しい教材で理解が損なわれる可能性があるとされました。読み直すことで、理解を立て直せる場合もあります。どちらの行動も、それだけで速度の練習の失敗とみなすべきではありません。
拾い読み(skimming)には、別の目的があります。記事を全部読まずに、自分の目的に合っているかを判断する助けになります。ただし、それは記事全体を同じペースで理解できることを示すものではありません。時間の意味を考える前に、読む目的を決めておきましょう。
流暢さの練習では、先へ進むことを意識しながら、意味をつかみ直せるだけの柔軟さを保ちます。じっくり学ぶときは、難しい論旨、見慣れない構文、正確に理解する必要がある細部で速度を落としてください。役に立つ速度とは、その読書の目的を正確に果たせる速度です。